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日本史と世界史どっちが有利?

2023.02.04 更新

日本史と世界史どっちが有利?

本記事は高2生を指導する上での話になる。

 

日本史or世界史という選択科目に迷う日が来る。特に早稲田や明治を受ける人は日本史にするか世界史にするか迷うが、結論から言うと、好きな方を選ぶと良い。

高校生になって日本史or世界史という授業があって、例えば、高1のときは世界史、高2のときは日本史という感じで受けることになったとする。そのときに多少なりとも触れているわけだから、自分はこっちが好きかもしれないと感じるだろう。

 

この「好きかもしれない」という感情が学校の先生の雰囲気で変わってくる部分もあるが、自分がどちらを好きかぐらいは自分で決められるようにならなければならない。

これは勉強においても仕事においても、物事を好きになれるから好奇心がある方が強い。物事を好きになったら自ら学びたい気持ちが高まってくる。

やはり好奇心を持って、どっちが好きかぐらいは自分で判断できるようになるべきで人に聞く話ではない。

1、迷ったら日本史を選択

好きな方を選ぶという前提で話を進めるが、日本史or世界史というところで、結論から言うと、どうしても悩んでいるのであれば日本史にしておけば良いだろう。

なぜなら日本人だからという理由に尽きる。例えば、ユーゴスラビア、南アフリカ、サウジアラビアなどで、このような事が起きたと聞いたり、オークランドやラテンアメリカというのはどの辺りなのかと聞いたりしたときに「どこですか?」という反応をすることが多い。「大体あの辺だろう」と思っても、エジプトはどこにあるのか聞かれても、興味がなければ即座に頭の中の地図で位置を特定することは難しい。

 

しかし、日本人において東京や京都の位置を知らない人はいないし、地方に限定しても四国と九州、どっちも数字がついていて似ているから、区別がつかないと言っている人は、かなり低位の人である。日本に住んでいるから、空間(横)の概念でいうと場所は掴めるが、世界史は地理的なところの把握が必要になってくるというわけだ。

また、日本史の場合、平等院鳳凰堂、江戸時代、徳川家康、織田信長のことなどを聞かれても、概ね知っている。それは小学校や中学校の教科書で見たことあるからだ。要は高校生に上がる段階において日本史にある程度は触れているということだ。

世界史においてマルクス・アウレリウス・アントニウス2世や、冒頓単于と言われても「誰ですか?」という疑問が湧くだろう。日本史に出てくる人間だと、そういう疑問が出ることも少ないのでおすすめができる。

2、世界史を選ぶ理由

根本的に日本史が嫌いだったら世界史を選ぶしか選択肢はない。日本史をおススメしながらも世界史の方が簡単であるという話をする。実際に早稲田入試でも世界史の方が平均点高くなることが多い。

日本史の方が深くて難しく、暗記量でいうと1割から2割くらい世界史の方が多くなる。しかし、日本史の知識は世界史の知識量とは少しニュアンスが違っていて、深く掘り下げられる。横に広くない分、下に掘り下げるイメージで細かく覚えなければならない。

 

例えば、わかりやすいところでドラゴンボールの話をすると、悟空、ベジータ、悟飯、ピッコロ、ヤムチャ、クリリン、フリーザ、セルまでは大抵の人がわかるだろう。だけど、ドラゴンボールスーパーという領域に入って、ザマス、全王様、ウィスを知っているか、第11宇宙の破壊心のピエロみたいな人の名前を知っているかと聞かれるとわからないと答える人が増える。つまり、タイトルのドラゴンボール、北斗の拳、ワンピース、ジョジョの奇妙な冒険とか幅は広いけど、主要メンバーだけを覚えておけばいいという感じの科目が世界史だと捉えれば良い。

一方でドラゴンボールに特化して、悟空たちが住んでいる宇宙は第7宇宙とか、破壊神ビルスが放つ玉の技名は何かという、細かい知識が求められるのが日本史である。だから、覚えることの量は少ないし、ある程度、小中学校のときから日本史を積み上げていくが、掘り下げていく感覚があるので、それが苦手な人は世界史を選ぶと良いだろう。

 

3、日本史の方が指導は簡単

指導する側としては、日本史の方が点数を取らせやすい印象がある。世界史の場合、早稲田を狙ったときに法学部や商学部であれば論述が必須になってくるから、正誤問題とか用語に強いだけではなくて論述対策もやらないといけない

加えて出題の方に対するアプローチも必要になるから、結論としては、日本史も世界史も両方とも大変だが、日本史の方が指導しやすいと個人的には思っている。

4、世界史を選んでほしい人

国際系の勉強に興味がある、語学に興味があるという人がよくいるが、そういう人が「世界史は嫌い」と言うことも多々ある。本当に語学が好きなのか、国際系に興味あるのかという疑念を持ってしまう。語学が好きですとか、国際系の学問に興味がありますという方であれば、積極的に世界史を取った方が良い。興味がある人が世界史を好きではなかったら嘘をついているとしか思えない。

国際系や語学に興味を持っている人は世界史を好きになってほしい。世界史をやるメリットとして、広いけど浅くて良いというのが単純思考としてある。日本史と比べて割と楽しく勉強しやすいのは世界史であるという印象だ。結局は楽しくないと頭に入らないと言うのが本音だ。

 

逆にカタカナに弱い人が一定数いるので、そういう人たちに世界史は向いていない。世界史のデメリットは、問題の幅が日本史よりも広くなる。ただし、平均点を見ても日本史と比べて、そこまで掘り下げた難問はない。

だから、点数は世界史の方が取りやすいかなという感じはする。世界史は、そこまで日本史ほど細かい知識は問われないというのもポイントである。

 

5、社会科の勉強の進め方

日本史・世界史どちらにも言えることだが、知識をあてがえて一発回答できるのであれば問題ない。これを覚えてなかったとしても、時代の背景を洞察して選択吟味したら、これがこうなるわけがないと考えられるようになっておいた方がいいだろう。

例えば、織田信長は開国派の人で、一向一揆にすごく悩まされていたという話がある。こういう条件から開国派の人が貿易を大きく制限するような選択肢が正解であるわけがないと考えられる。あるいは、この選択肢も知らないけど、一向一揆に苦しまされていた織田信長だから、キリスト教を導入したと考える。キリスト教の導入を推していた織田信長が、仏教を優遇するような政策を執るはずがないと考える。この用語とか選択肢を知らなくても、その時代背景や為政者の思想などから洞察を働かせて、問題の選択肢を絞り込んだりするやり方をおすすめする。

 

この考え方を重視すると、普通の受験生より知識量がそこまでなくても、かなり高得点が望みやすくなる。日本史・世界史に自信がない方は、上記のような深掘りの仕方を試すと良いだろう。

「結論」

社会科の勉強の考え方は市販の問題集では対策が難しい。時代の背景を流すような感じで、知識一発回答の解説が問題集は目立つ。考え方や解き方で崩していく問題集は、なかなか存在しない。

日本史か世界史かで迷ったら好きな方を選べばよい。