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早稲田文学部&文化構想学部の4技能利用は不利なのか

2023.02.04 更新

2023年も早稲田文学部&文化構想学部の4技能利用は不利なのか

早稲田文学部・文化構想学部の英検利用(4技能利用))が不利なのかどうかを考察する。結論としては、2022年のデータから見ても早稲田大学文学部・文化構想学部に英検利用で出そうと思っている方は不利であるので、4技能利用だけで受験するのはお勧めしない。

 

(1)文化構想学部の平均点

ア、4技能利用型(国語49.416、日本史34.491、世界史26.191)

イ、3科目型.    (国語47.827、日本史32.252、世界史24.699)

 

上記の文化構想学部の平均点を見て、通常の3科目型受験と比べると4技能利用型入試の方の平均点が若干高い。平均点が高くなると、成績標準化の影響を大きく受ける。

さらに、4技能利用型には英語がないため125点満点となる。点数の全体の幅が縮まり、成績標準化で下げられると得点は大きくなり、全体の得点は小さくなる。

でも、下げられる得点が大きくなると高得点勝負になってくる。つまり125点満点なのに平均点が3科目のときよりも、平均点比率が高くなるということだ。

 

(2)文学部の平均点

ア、4技能利用型(国語45.571、日本史33.324、世界史33.459)

イ、3科目型    (国語44.096、日本史31.117、世界史31.541)

 

文学部の方を見ても、通常3科目型受験よりも英検利用型の方が、科目別平均点が高い。また、全体の総得点は小さくなるのに、成績標準化は大きくなって大幅に点数が下げられる。その結果、高得点勝負の戦いになってくるのだ。

この業界の素人が「高得点勝負」と聞くと、受かる人は幾らでも取るのだから、とにかく満点近くを目指して頑張ればいいと言う。確かに取れれば取れるほど良いだろう。

しかし、実際の入試は取りこぼしてはいけない問題を落とさず取ることも大事だし、少しでも多くの問題の点数を取ることが大事だ。

ただし、取れる得点の上限には限界があり、どんな人間にも入試に限らずミスを犯してしまう。こういう背景のもと「まぐれ合格」が発生するのだ。

だからこそ、高得点勝負の入試は、ワンチャンもあり得るということにも繋がるが、力のあるやつが力の通りに必ず合格できるかというと、そういう現象も少なくなり「まぐれ合格」が出やすくなる。

 

2. 3科目型受験の素点合格の合格ライン(2022年の分析)

(1)文化構想学部

ア、3科目型

(ア)世界史選択:素点140/200点

(イ)日本史選択:素点150/200点

 

(2)文学部

(ア)世界史選択:素点145/200点前後

(イ)日本史選択:素点145/200点前後

※両学部ともに特段で平均点より低い得点になった科目がない限りは合格

特に文学部は平均点が高くなりすぎて、厳しい勝負を強いられた2020年と2021年であった。しかし、2022年入試は平均点の具合が良かった印象を持っている。だから、2022年入試の難易度で、毎年(来年)あればいいなと思慮する。

3. 4技能利用が不利だという理由

(1)文化構想学部の世界史選択の方の成績開示のデータ

A氏:国語52/75、世界史34/50、素点合計86点

上記合計点から成績標準化の影響で6.5引かれて79.746になり、合格最低点が85.5となる。このマイナス幅から逆算すると、文化構想学部を4技能利用型で受ける人は、素点で92/125(得点率73.6%)が必要ということになる。文化構想学部は素点合計で世界史選択140点あれば合格だったが、4技能を利用して英語が免除された2科目型、国語と社会科の受験の方になると73.6%必要で、合格ラインが数%上がる計算になる。ちなみに日本史を選択して4技能利用型で受ける人は、平均点が2022年は世界史より高かったので、素点合計は国語と社会で80%取らないと不合格となる可能性が高い。文化構想学部の国語と社会で8割突破するのは流石に厳しいだろう。

 

 

(2)文学部の世界史選択の方の成績開示のデータ

B氏:国語41/75→成績標準化33.234、世界史41/50→成績標準化34.777

素点合計82/125→−14の成績標準化68.011

合格最低点が86.5になってくると、素点合計で101/125欲しいところだ。B氏の4技能利用型の国語の平均点は45.571となっている。それを下回ってしまっているから成績標準化で多めに引かれている事の影響もあって、-12になると思うのだが、100/125欲しいとしても8割を超えてくるわけだ。平均点は日本史も同じくらいなので、日本史・世界史選択ともに、文学部を4技能利用で受けたい方が、仮に3科目型受験であれば145点で合格であった。

例えば、中央大学の法学部でも3科目型受験と4科目型受験があるが、科目が少なくなると、合格するための得点率が上がるのは常識である。だから、文学部・文化構想学部ともに2022年入試においては、4技能利用型を選択した方は、より得点力が必要になった年であった。

 

4. 4技能利用で受けて良い人

4技能利用型が役に立つ試合運びのケースとしては1パターンだけある。例えば、国語と社会科は高得点が取れたのに英語で大失敗したとしよう。そういったときに、英語の大失敗がチャラになる。なぜなら国語と社会科の必要な特定比率が上がって大成功しているので、英語がチャラになるからで、そういった理由で合格の可能性が出てくる。4技能利用がうまく試合を運んでくれる思い付くケースは、今のところこれだけだ。

 

「結論」

文学部・文化構想学部4技能利用型は不利なのかという疑問については、やはり不利であった。早稲田大学文学部・文化構想学部を受ける方は4技能利用型と3科目型併願で出しておくことをおすすめしたい。間違っても4技能利用型だけで受験しようとは思わない方が良いだろう。